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ゲンダイチコースケの殺人ミュージアム#01

ある程度のボリュームのシナリオがある人形劇、そろそろやりたいよね・・・と言っていた時期。

団長岡田の話になりますが、幼少よりわりとベタなもの好きで見ておりました。
時代劇とか、◯曜サスペンス劇場とか。お決まりの展開がツボに入りまして。
で、憧れのサスペンス&推理ものに挑戦することになりました。

劇団☆死期は、現代美術の目線も常に持ちつつ展開している団体を自負しているので、サスペンスと言ってもただの謎解きではなく、美術オタクサスペンスにしようと。
鼻につくぐらい美術のうんちくで埋め尽くされた、現代美術知らなければ何言ってるか全然わかんないだろーっ、美大生、知らないとヤバいよこの用語!みたいなサスペンス。
しかし話はモンヤリと思い浮かぶのだが、岡田団長、自分で言っておきながら、専門用語や知識量、足りない・・・会田顧問なら多分そこは充分フォローできるのですが、今回は会田はノータッチで進めることになっています。
で、芸術、哲学、社会学に長けた2人の助っ人、アベケンイチ氏(フリー編集者)と松下学(TANA   Gallery Bookshelf主宰)をシナリオライターとしてお招きして、岡田×田村×アベの3人でシナリオを書き進める事となりました。
タイトルは「ゲンダイチコースケの殺人ミュージアム」。
われら3人、”ゲンダイチコースケ”(=金田一と現代美術の知をかけあわせています)という美術オタク探偵の名前を思いついた瞬間「これはいける」と確信しました。
第一話は、美大生の謎の死から始まり、マリーナ・アブラモヴィッチが謎解きのキーワードになってくるのですが、アブラモヴィッチ、一般人どころか美大生誰も知らないよね・・・。
本当に知らないかどうか試しにT美油画1~2年で「アブラモヴィッチ、知ってる人~」って聞いてみました。クラスに1人手が上がるか上がらないか、という現状。アブラモヴィッチ、世界的に有名なアーティストさんです。
そのへんやんわりとストーリー上で、美大批判をしつつ、実際の造形と黒子は全て美大生であるという試みでした。
地獄の学芸員(Hells curator)という怪人が登場するのですが(彼が殺人犯なのです)、この人物はゲンダイチの宿敵となり、現代美術の知恵くらべで戦い合います。
第一話ではちょっと最後に出てきて笑いながら去ってゆくのですが、この学芸員がどうしてそんな変態犯罪者となってしまったのか。かなりヤばい過去があるに違いない。
そのあたりで、日本においての美術の業界の闇に迫ってゆきたいなと考えています。

ゲンダイチは、西荻窪の善福寺公園での野外展示「トロールの森」で野外公演として上演されました。
地元の子どもやらおじいちゃんおばあちゃんやらと一緒に美術評論の方なども混じって、公園内にて繰り広げられる現代美術オタクストーリー。
天気のよい昼下がりで・・・木漏れ日キラキラの中殺人事件ストーリーと美術論と人形と黒子・・・異様でした!(笑)
その後、東京ワンダーサイトでも会田誠プロデュースで現地展示と共に展示クリスマス公演として再演され、ありがたいことに満員御礼で幕を閉じました。

この人形劇で面白かったのは、シナリオ読んでても一番長ったらしい、ゲンダイチが現代美術のうんちくをシャウトしまくるシーン。
コレがやりたくて作ったような劇なんですが、台本上は不安になるぐらい長くて退屈かなあ・・・と心配していました。しかし実際演じてみると、やっぱりこのシーンが一番面白かったです。

ゲンダイチ第二話は、2013年森美術館会田誠個展でのイベントとして公演を予定しています。
またひねくれた視点で芸術オタクなストーリーを練って行きたいと思っています。