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「KOTOBUKI TOWN is a flophouse area in Japan(寿町は日本のドヤ街です)」@寿町


寿クリエイティブアクションという団体のお誘いで、寿町という横浜のドヤ街で劇団☆死期がなにかやりませんかというお誘いを受けました。
寿町はドヤ街として知られた町なのですが、現在は日本経済の悪化により日雇い仕事は減少をたどるばかりで、寿町の「センター」という公共の斡旋施設に職を求める労働者の列は無く、かわりに生活保護を受けながらドヤで暮らすお年寄り中心の男性陣に溢れています。
仕事もない、家族もない、家も無い(ドヤ=簡易宿所はありますが)ということで、みなさんお昼からお酒を飲みつつ、センターのあたりを歩いたりとか、座ったり寝転んでいたりしています。
寿クリエイティブ・・・はこの界隈でアートでなにかをやってみよう、的な実験の試みを頻繁にプロデュースしているそうです。

現地の状況を関係者の方々に教えていただき、大変勉強になりました。冬は厳しく現地の人々の健康が心配な事、シャイな人が多い事、カラオケは好きだと言う事、月の第◯週は生活保護が支給される時なので、人々の表情は明るく、逆にその直前は暗い事・・・などなど。

ある意味、現代日本社会の問題点を露呈しているドヤ街ですので、劇団☆死期としてチャレンジする甲斐のある場所といえます。
しかしここで劇団として何をやるかというと、非常に、非常にハードルが高い。
下見で色々なスポットを案内してもらいましたが、団長、顧問共に企画段階から頭を抱えていました。

まあ、とにかく、現地のおじさん達と、人形を通じて交流を持つ事から始めようか。
人形には独特のコミュニケーションをはかるツールとしての役割があります。
人形と肌で社会の片隅を感じよう。
しかしそれには彼らと同じ目線に立たねばならぬ。
酒に溺れる人たちと親睦を深めるためには、こちらも酒の力が必要だ。

そこで選ばれた酒組精鋭部隊が、北大路翼(俳人)、木村哲雄(アーティスト)、寺田忍(アーティスト)、大塚聡(アーティスト)ダライくん(元ホストで哲学の人)、もんちゃん(カメラマン?)などなどの男達・・・。
団員はAチーム、Bチームの二手にわかれました。
A=ダンボールのゴミ箱(中に人が一人入れる仕組み)から人形がアドリブで演技する。私たちはコレをセサミ系と呼んでいた野外パフォーマンス。場所はセンターの前。
こちらは女性団員も混じっており、多摩美油絵科有志と造形部長大田が造形を担当。出来るだけお金をかけない、廃材やゴミを利用して人形を制作。
B=寿町の昼からやっているおっちゃんたちの集まる飲み屋に、遊び感覚のある人形を持ち込んでもしかしたらもしかすると何かが生まれるかもしれない実験。

結果ですが・・・。

同じ目線で、まず酒を・・・そんな呼びかけがまずかったのでしょうか・・・。
北大路と木村は待ち合わせ午前10時の時点ですでに昨夜から飲み続けで泥酔・・・。
北大路は朝一番に嘔吐。
フラフラの木村は、Bミッションの飲み屋で早々におじさんに軽くこづかれ、その拍子に派手に倒れて再起不能に陥りました・・・。
まあ、ビデオでは、このダメ~な酔っぱらい団員のおかげで、いい絵が撮れたと思います・・・。

とはいえ、セサミの方は、当日飛び入りで参加して下さった現地の方も大活躍し、拍手を受けたり、見物人に酒瓶を投げられたり、まずまずの盛り上がりを見せました。
このドキュメントビデオはリトアニアの美術館で発表するんだよと伝えたら、最後はおじさん達と一緒にリトアニア音頭(即興です)を大合唱。一日限りですが心の交流は生まれたのかもしれません。

酒を通じて同じ目線で付き合うと言うモットーで始めたプロジェクトでした。
しかし、同じ、ではなく、劇団☆死期は完全におじさま達にたしなめられ、心配され、説教された、レベル的に以下の団体だという事が露呈した野外パフォーマンスでした・・・。