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リトアニア現代美術館での会田誠個展「Diena ir naktis(Day & Night)」での展示


我が団体の顧問である会田誠氏がリトアニアの首都ヴィリニュスの現代美術館で個展を開催。

そこの一角に劇団☆死期も展示しようと言うことになり、これについては全面的に会田がプロデュースししました。
展示したのは、オリジナル黒舞台&人形&コスチュームを着たマネキン、ビデオ「KOTOBUKI TOWN is a flophouse area in Japan」「My Lithuanian Cupriccio」。
ビデオ2点はリトアニアの展示が決まってから制作したものなので、かなり現地を意識した内容となっています。

ちなみに、会田画伯は、大作MONUMENT FOR NOTHING Ⅲに加え、新作ビデオ「哲学」「おにぎり仮面小さすぎる旅」、芸術公民館をネットで繋ぐプロジェクトなど、あまり日本では展開されたことのないテイストでの出展作で埋められていたように思います。

劇団の各作品の内容詳細については各PAST SHOWをご参照ください。
ここでは、リトアニアでの出来事を思い出そうと思います。
リトアニアは、度重なる戦争で翻弄された歴史を持つ国。
その首都ヴィリニュスは中世の町並みが現存し街全体が世界遺産、希有な場所です。
町の美しさだけでなく、美人の多い町といってもいいかと思います。メーテルのように、物静かな正当派美人の多いこと。
春休みもかぶっていたので、搬入には親子で現地入りする事となり、ヴィリニュスに訪ねるのをとても楽しみにしていました。

搬入出発の直前、3月11日の地震と津波被害が日本を襲いました。その後の原発事故・・・。
私たちは、そのような混乱と不安の中、とにかく展示準備をしていました。
(日本がこんな時期に展覧会どころではないのではというジレンマも抱えつつ・・・)
予定のエアが震災後の混乱で飛ばず、運送会社もストップ状態。
停電で電力をコントロールしながら仕事を進行したり。

とりあえずしばらく遅れて展覧会準備に旅立ちましたが、到着した美術館では作品はいっさい届いておらず・・・。
日本の運送も、航空会社の輸送も、ストップしていたのです。
ついでに現地の壁さえ出来ておらず・・・(このへんのアバウトさは海外では良くある事ですが・・・)
私としては、ビデオの編集の仕上げを、暖房の効かない寒いレジデンスの片隅で仕上げるぐらいしかやることがありませんでした。
(ヴィリニュスは、暖房環境の悪さが町の大きな課題であると聞きました。)

けっきょくこれといって何も出来ず、ホテルの微弱なwifi環境で日本がどうなったか調べつつ、おにぎり仮面のロケ班を氷雨の中漠然としつつ、そんな暮らしを見かねた学芸員の勧めで郊外のスパに浸かったりしつつ、時が過ぎて行った思い出があります。

現地では大勢の方々に声をかけていただきました。道ですれ違う人からも。
「日本人か?あなたの家は大丈夫か」と。
みなさん津波のみならず原発事故について心配して下さっていました。
フランスの方には「なにかあったらパリに住んでるから来てくれ」と言われたり。
こういう時、子連れで移動していると、大人だけで居るよりも色々と声をかけて下さる気がします。
そういえばどこかの民俗学者の方も、以前見た放送大学の番組でおっしゃっていました。
ファミリーで尋ねると、ドメスティックなコミュニティから受け入れてもらいやすく、結果的に研究の充実に繋がるそうです。
人形、子ども、どちらも国境の壁を越えてなにかしらのシンパシーを感じ合えるツールになるのではないかと思った次第です。

何も設置が出来ず団長&息子のみ帰国する事となったリトアニアでの展示でしたが、私と入れ替えに現地入りしたギャラリースタッフさんと会田さんが引き継いでいただき、無事展示を仕上げる事が出来ました。
「My Lithuanian Cupriccio」は、ときたまクスクスとお客様から笑いの反応をいただき、「KOTOBUKI TOWN is a flophouse area in Japan」はポカーンとされ(かな?)、と会田氏は言っていましたが、みなさんどう感じていただけたのでしょうね。展示全体、不思議の国ニッポンという印象だったでしょうか。


右の映像は新作「My Lithuanian Rhapsody」(Performing by 大塚聰)(左に見えるおにぎり仮面は会田誠の作品/これは劇団☆死期ではないのですが)「My Lithuanian Rhapsody」は孤高のアーティスト大塚聰氏が作詞作曲した、リトアニア語の国歌みたいな曲を歌うというもの。
右の映像は新作「My Lithuanian Rhapsody」(Performing by 大塚聰)(左に見えるおにぎり仮面は会田誠の作品/これは劇団☆死期ではないのですが)「My Lithuanian Rhapsody」は孤高のアーティスト大塚聰氏が作詞作曲した、リトアニア語の国歌みたいな曲を歌うというもの。