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「ヌンバ!」ウンタギルポッポハッポネーダ~世界に平和を~ いいかげん、人形劇団なんだから、舞台で人形劇らしいものやろうぜ・・・。そんな話が出ていた時期。(笑) こんな折、ミヅマアートギャラリー市ヶ谷田町(東京)で山口晃さんの個展「いのち丸」を開催中、アーティストの松蔭浩之さんが「ぐっさんのイベントやろう!」と言いだした。 イベントプランナーとしてもさすがの松蔭さんで、みるみるうちに楽しそうな内容が決まって行った。 山口氏の古典落語やら(これ最高でした)、キャンピングカーでの松蔭浩之&皆藤将の料理とか。 場所はギャラリーの下にある貸駐車場を一日化貸し切りして特設会場を設置。 そこで、山口氏落語の前座として、「劇団☆死期」の旗揚げミニ公演、松蔭浩之×「劇団☆死期」の企画がもちあがったのでした。 最初のミーティングでの会話。 「さあ、なにやりましょうか、今回は松蔭プロデュースという事で、我が劇団も、松蔭さんのイメージを最大限に生かしたプロジェクトにしたいとかんがえておるのですが。」と私。 松蔭氏「うん、なんか、最近アフリカが気になっててね。アフリカンミュージックとか。アフリカで行こうよ!」 またこれは、松蔭浩之さんたら、突拍子もない発想を・・・!と、意表をつかれた私。 だって「山口晃さん=まさにニッポン」な作家さんのイベントで、アフリカとはまったくベクトル逆じゃん!(笑) しかしこういうの重要。 劇団☆死期は個人活動とは全く違うものをと考えているので、その時の参加アーティストの持ち味は全てウェルカムに、最大限活かした形で作ってみたい。 そして山口氏のイベントという事で、和のテイストもちょっとは意識したい。 そこで日本の代表的アニメ<サザエさん>と<アフリカ>をぶつけてみようと脚本を書いたのが「ヌンバ!」なのである。 昭和的日本の代表、エンドレスな幸せ家族(そもそもこのアニメがなぜまだ続いているのかがシュールな)磯野家。 それが、冷たい現代社会の波に呑まれ、ある日ガラガラと崩壊してゆく・・・そんなときこそ人間は野生に戻ろう、そうだアフリカだ・・・。 ・・・なんて内容。 この制作で面白かったポイントはいくつかあるのですが、例えば。 会田誠さんが「なんちゃってアフリカ語でやろうよ。全編だれも言葉がわかんないような。」といいだしたのがきっかけで、岡田が書いた日本語の脚本を、松蔭浩之扮するガーナのアッサリ-・ケイタ氏に<アッサリケイタ語>に翻訳してもらうという形をとって進められました。 松蔭氏の考案した秀逸なケイタ語翻訳には感心しきり。 ケイタ語で進行する「サザエさん」(そもそも人形自体がサザエさんじゃないし)理解不能なお客様達はポカ~ン、数割のお客さんは笑っていた。 しかし最後人形達と共にアフリカンミュージックで踊る(アジる?)アッサリー氏の勢いで、なしずくに大団円(笑) 我が小学生息子は今もケイタ語について考えています。 「<ヌンバ!>はすごくイイ!とかワーイ!って意味じゃないか。 冒頭にフネが<トウ-デーバ、メーシ、スキヤクゥ/今夜はすき焼きよ(中略)/ヌンバ!>っていうでしょ、嬉しいって表現だよ、きっと。」 なんて言っておりました。 ちなみに後半ケイタ氏がひとしきりシャウトする「マンゲ!」は「ヌンバ!」の最上級、だそうです。 参加して下さったアーティストの筒井伸輔さん、岩崎智子さん、寺田忍さん、木村哲雄さん、大塚聰さん、まこプリさん、いりー、もんちゃん、れいなちゃん、造形部長大田広子さん、その他古くからのお友達や美大生、色々な方々に感謝感謝。 会田誠さん制作の小道具も素晴らしい出来映えでした。 2012年森美術館における会田誠個展「天才でごめんなさい」で公開する映像は、日本語字幕スーパー付きとなっております。お楽しみに! | ||
ミヅマアートギャラリー1階の駐車場が、特設会場として早変わり。大急ぎで舞台をたてる。右奥の銀のキャンピングカーでは松蔭氏が今夜の料理を仕込み中。 | お昼から必死の練習に励む団員達・・・。初めての人形劇に戸惑いながらも上達してゆく・・・。 | |
ミヅマアートギャラリー1階の駐車場が、特設会場として早変わり。大急ぎで舞台をたてる。右奥の銀のキャンピングカーでは松蔭氏が今夜の料理を仕込み中。 | お昼から必死の練習に励む団員達・・・。初めての人形劇に戸惑いながらも上達してゆく・・・。 | |